睡眠中の脳を生かす

勉強の大敵になるは「睡魔」ってイメージがありませんか?勉強してると眠くなるし、沢山寝てたら勉強時間は足りないし、勉強の妨げになる原因の一つという印象があると思います。

遊ぶ時間を自分の意識次第で削ることはできても睡眠時間は削ることはできません。我慢して睡眠時間を削って勉強したところで、起きてても頭はボーっとして効率が確実に下がっていくでしょう。

遊ぶ時間と違って削る事が難しく、長時間とられるこの行為に憤りを感じることもあるでしょう。

ですが、この睡眠時間を「勉強時間」の一部 として使えたら便利になると思いませんか?毎日必ず取られる睡眠時間を勉強時間にできたなら勉強の効率は大きく変わるでしょう。

勿論、睡眠時間の8時間を全てを生かすことができて、「8時間勉強したのと一緒」なんて方法はありません。ですが、少しの工夫でこの睡眠時間にちょっとだけ勉強の手助けをさせることはできます。

今回はそんな勉強に役立つ一工夫を脳科学的な理由と共に説明したいと思います。

この記事は理解度を高めるために理論立てて脳の仕組みから説明しています。もったいぶった感じの言い回しに感じてしまう方もいると思うので、タイトルの内容を見たい方は「睡眠中の記憶の定着を利用する」までスキップしてください。

睡眠中でも脳は活動している

ミスが多かったり、考えを纏めきれなかったり、物忘れが多かったりなどの原因は睡眠不足が原因であることは多いです。

身体を動かせば疲れが溜まっていくのと同様に、脳も使えば使う程に疲れが溜まっていきます。身体を動かさなかったら体力的には回復しますが、思考は止まらないですし脳は回復しません。

そこで脳を回復させる行為が「睡眠」になるわけです。ここまでは皆さんなんとなく把握している事だと思います。寝ないで活動し続ければ人間は混乱状態になります。

しかし、「睡眠中に脳に何が起こっているか」ということは把握していない人が多いと思います。今回話すのはその一部になるのですが

睡眠中に脳は「記憶の定着」「思考の整理」が活発に行われています。

後に説明するのですが、この「記憶の定着」「思考の整理」の機能を利用して勉強の手助けをすることができます。

起きている間にも行われてはいるのですが、寝ている時の方が活発に行われています。寝たら頭がスッキリするのは思考が整理されているのからです。逆に起き続けていたら思考が纏まらなくなり真面に考えることもできなくなります。

昨日の夜に悩んでいたことが、寝て朝起きただけでシンプルな解決策が浮かんだり、悩むほどのことにも感じなくなったりするのは脳が睡眠中も活動して思考を整理しているからです。

夜の思考が乱れている状態だと、感情的になりやすく論理的な答えが出しづらくなります。睡眠中の脳の活動によって乱れも修正されているので翌朝はアイデアも生まれやすいです。

脳の疲労が抜けたことも勿論ですが、「思考の整理」を脳が寝ている間に行っているから思考することができるようになるのです。

「寝たらスイッチがOFFになり、只管回復に専念している」って思われがちですが、脳全体は活動し続けているのです。

特に脳は活動している状態と言われる睡眠が「レム睡眠」ですね。

レム睡眠とは「rapid eye movement sleep, REM sleep(ラピッド・アイ・ムーブメント)」で「RAM」、高速眼球運動の略称になるのですが知っていましたか?

高速運動という名の通り、レム睡眠中は眼球が微小に動き続けています。これも脳が活動してるが故の現象ですね。

起きている時と寝ている時の違い

睡眠中も脳は活動していることを上記で説明しましたが、「脳が動いているのならさらに疲労するのでは?」と、なってしまう方もいるでしょう。

まず、睡眠時と覚醒時の大きな違いは、寝ている時は「外部の情報が入ってこない」という点です。

起きている時は目や耳から常に情報が入り続けています。音や視界から得た情報は強制的に思考に結びつきます。自分の意志とは無関係に得た情報から思考が始めるのです。思考が止まらないとなると回復することは難しいですよね。

ですが、寝ている時は情報が遮断されます。目は瞑った状態なので、あっても耳からの情報ですね。寝る時は静かなところで寝ているはずなのでその情報もなくなります。

外からの情報が入ってこないので、記憶の保存や変換処理、情報の取捨選択、思考の整理などの上記で記載したことを行えるのです。

また、脳が活動中と言っても、睡眠時は大脳が休んでいる状態になっています。

新しい情報が入ってこないので、疲労する事が無く情報処理などの回復行動が行え、大脳は休んでいる状態なので回復する事ができるのです。

睡眠中の記憶の定着を利用する

睡眠中の脳の働きを上記で説明しましたが、この働きを勉強に生かす方法をこの項目で紹介します。

睡眠中の行う「記憶の定着」「思考の整理」を利用して勉強の手助けをするという方法です。

眠っている間は勉強することはできない、という当たり前にすら感じる概念を一度なくしましょう。脳は寝ている間に勝手に記憶と整理をしているのならこれを利用しない手はないです。

勉強といえば、「記憶する」ことが重要になりますよね?ここで利用するのが「記憶の定着」です。

睡眠中に勝手に「記憶(暗記)」をしてくれるのなら寝る直前に覚えたいことを頭に入れましょう。

入眠前は脳が疲れて計算問題などは効率がかなり下がります。そういった頭を行使するものより、単語などの暗記したい箇所を網羅しましょう。

難しい問題、ややこしい問題などは「思考の整理」を利用しましょう。

頭をひねらないといけない難題は、解くことや理解することに拘らずに、「何がわからないのか」「どこが難しいのか」などの要点を抑えたり問題点を纏めておきましょう。

頭の中がこんがらがってしまう事を寝る前にやってもまともに考えきれないです。

その問題に対する情報だけ頭に入れておけば、寝ている間に勝手に脳が情報を「整理」 してくれます。

整理が終わっている朝に問題を見ると、驚くほど簡単に労力をかけることなく解けちゃったりします。

この寝る前のちょっとした工夫を毎日積み重ねれば大きな成果になるはずです。睡眠中の「記憶の定着」「思考の整理」を意識して上手く活用しましょう。

勉強以外にも生かせる場面は多いです。プレゼン発表前日とかなら、寝る前にさっと見るだけでも頭に定着しやすくなるし、今、自分が抱えている問題点を書き出せば、次の日頭の中で解決策が纏まっていたり、現状把握もしやすくなるはずです。

ポイント
・就寝中の「記憶の定着」を利用する為、寝る前に記憶したいことを頭に入れる(寝ている間に勝手に記憶してくれる)
・就寝中の「思考の整理」を利用する為、寝る前に要点を為に入れておく(寝ている間に情報を勝手に整理してくれる。)
・寝る前に現状抱えている問題などを書き出すと、翌日に解決策がでやすくなったり、現状把握がしやすくなる

夜の勉強でしてはいけないこと

・脳を酷使しない

まず、上記でも軽く記載していますが、複雑な問題や計算問題は避けましょう。

夜は前頭前野の働きが弱くなり、思考することが困難になります。感情系が優位になるので冷静さが欠かれるていて脳を酷使するとイライラしやすくなります。

・眠気を誤魔化して活動しなし

眠気と戦いながら勉強するのは結構非効率です。

カフェインなどに頼り眠気を誤魔化しながら無理をしていても、長い目で見ると能率は下がっていきます。中途半端でも切り上げて睡眠時間を優先し、翌朝に持ち越すのがよいです。

・睡眠時間を削らない

勉強を睡眠時間を削ってまでするのは最悪です。勉強したものは「寝る事」によって頭に定着するのです。

上記でも説明した、「記憶の定着」「思考の整理」をする時間を削る、という事になるので、記憶することも整理することもできず、勉強したことが無駄になる可能性だってあります。

人によって適切な睡眠時間は違いますが、最低でも「5時間半」は寝るようにするべきだと私は考えてます。

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快適な睡眠が取れる前準備

いい睡眠を取る条件は寝る眼に脳を理想の状態に持っていくことが重要です。

大まかに言ってしまえば刺激が無い状態に持っていき、リラックスした状態を心がけることで質のいい睡眠が取れる状態になります。

まず、刺激を減らすことが重要で、以下のようなことは注意が必要です。

・激しい運動は控える
・議論などの感情が乗りすい会話をしない
・指先などの抹消神経を行使する
・刺激の強い映像や音楽に触れない

上記でも記載していますが、カフェインの摂取も控えた方がいいです。

リラックスした状態に持っていく方法としては、瞑想や読書などをすると心地よい眠気が来やすいです。

寝るタイミングをパターン化するのも有効です。入浴後からがパターン化しやすくておススメです。

やることを片付ける→入浴→読書などの入眠パターンを作り習慣化する、という感じで毎日すごしていると、脳がパターンを覚えて寝やすくなっていきます。

眠くなかったり、睡眠時間が充分すぎる状態でも睡眠パターンをこなすと結構寝れちゃいます。生活リズムを崩しにくくなるのでかなりお勧めです。

寝る時は身体だけじゃなく、脳もリラックスできるイメージを意識して入眠の質を高めましょう。

寝ることによって勉強が進む・睡眠時間の脳を活用して記憶を定着させる