褒めるか叱るかではない

この記事を開いた人は、なにかのリーダー的なポジションであったり、部下を持っている人が多いと思います。

そういった立場になると、部下の教育などを任されるようになりますね、いろいろな本を読んだり、指導経験のある人からアドバイスを貰ったりと、指導に関しての知識を集めたりしてると思います。

しかし、その通りにやっても全然育ってくれない、自分の言っていることが全く伝わっていない、と感じている人も少なくないはずです。

今の人柄に合わせて「褒めて伸ばす」を実勢している人もいるでしょう。「キッチリ叱る」の方針で指導している人もいるでしょう。

別にどれも間違ってはいないのです。「褒めて伸ばす」が甘やかし気味になるから育たない、とかでもなくて、「叱るから聞いてくれない」とかが原因ではないです。

正直、指導するにあたって、どちらも欠かせない大事な要素だと思います。

だけど育たない、やる気を出し切れない、言っていることが伝わらないのは、そもそもの原因が指導方法ではないからです。

その原因を意識できていないと、褒めようが叱ろうが、指導により部下から大きな成長は感じられないでしょう。

指導が原因でないのなら、どんだけ指導方針を見直そうと意味が無いのです。迷走して変な方法で教えてしまっては大変なことになります。

よく指導本に書かれている、「叱ってはいいけど怒ってはダメ」みたいなのも間違ってはいないのです。

ただ、そこを工夫したところで効果は薄いです。どれだけいい事が書かれていようが、それだどれだけ正しかろうが、「前提条件」がクリアできていないと、言う事を聞いてくれないです。

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教育論を説く前に自分を見る

教え方ももちろん重要ですが、人間の脳は内容より先に重視するものがあります。それは「誰に」言われているか、ということです。

「あなたにおしえてもらってもうれしくない」「あなたの言う事は正しくない事が多い」など思われていないですか?「教えてもらいたくない」と思われている人からの指導は全然頭に入ってこないです。

これを読んで「仕事だよ?そんなことある?」と思った方は要注意です。現に今、部下が言うとおりにしてくれない人は充分に可能性があります。

この心理はかなり強く働く方です。嫌悪を抱いている相手に「最近、綺麗になったね」なんて褒められたらうれしくないですよね、最悪セクハラ扱いされます。

ですが、好意を抱いている人であれば全く反対の感情が芽生えます。強く受け入れるでしょう。

このように人と言うのは「何を」が重要ではなく、「誰が」が重要なのです。

「尊敬できる人」「信用できる人」「頼りになる人」の言葉は、どんなことであっても強く頭に入ってきます。

たとえそれが叱られてしまった場合でも、「尊敬するあの人に叱られてしまった…」と強く受け止めるでしょう。

「怒っても」と「褒めても」といろいろ試してダメな人は、一度自分のことを見直して、信頼されているか、尊敬されているか、と言う点を意識してみましょう。

宅麺

先導できないリーダーが増えている

上記から、部下を伸ばすには尊敬される上司である必要がある、と説明しましたが、最近は尊敬されるどころか先導できない上司が増えています。

リーダーや上司は先を見据えて下の人達を先導できる必要があります。「このまま進めばどういった結果になるか」と言うのをある程度予測することができ、そのビジョンを皆に見せる事ができないといけません。

そして、優秀なリーダーは、自分たちが決めたことを迷いなく遂行できるように、諦めなかったり、実行力が高かったりします。

しかし、これと全く逆の現象が良く起きています。

リーダーが「これ大丈夫?本当にうまくいくの?」と、不安がっているだけで、ただただ保身であったり、不安要素無くすために粗探しをしたりします。これはただのチェックをするマネージャーです。

「大丈夫です。問題ございません。」と言えば、「本当?そんな保障はどこになるの?失敗したらどう責任をとるの?」と言うのです。

割と現実味があることなので、「残念ながら上司から聞いたことがある…」って人もいるのではないでしょうか。

こんなリーダーが「部下が言う事を聞かない」「指導しているはずなのに使えない」なんて言ってたら、余計話を聞かなくなりますよね、なんせ言う事は文句だけで何の役人の立たないのですから

「こんなやついないだろ」って思った方…実際います!気を付けてください(笑)

自分が無意識のうちにこんなリーダーや上司になっていないかも考えてみてください。ここまであからさまじゃなくても、引っ張っていく力のない人は尊敬されたり信頼を得られません。

言葉に力が無く、部下に言葉が届かないです。リーダーの言葉が届いていない仕事は問題だらけになります。それはそうですよね、纏める仕事を受け持つはずの人の言葉が届いてないのですから

「これどれくらいの成功率なの?」「よくわからない、わかりづらいからボツ」なんて言っていないですか?自分で考えましたか?自分が把握しづらいという理由だけではねのけていませんか?わかりやすくするのが前提だと思っていませんか?

多少無茶をしてでも、「やってみよう!」「面白そうだね!」と言えるのが、信頼を勝ち取れるリーダー像に近いです。

「お前の言っていることは目に見えない」これを言ったことはありませんか?もしくは「具体性がない」などの似た言葉を使っていませんか?

そういったことを言う必要がある時もあるかもしれませんが、それだけを言っていてはいつまでたっても尊敬される人にはなれません。

「ひょっとしたらこうなるかも」「これならできるかもしれない」と、イメージを形に持っていく力も重要です。

「目に見えるように」「具体的にする」というのはリーダーの仕事です。さらに、自分の企画を上に引っ張っていってくれる人は尊敬されます。

「ビジョン」を見つけ、見せつけ、作れる人を目指しましょう。

達成感を与える

人間のモチベーション維持に一番重要なのは「達成感」です。「やりきった」「できた」「成功した」という感情から得られるものは凄まじいです。

無茶苦茶な仕事も、しんどい仕事も、達成感を感じることができれば、「やってよかった」ってなりますし、次も頑張ろうとするのが人間です。

しかし、成功しないこと、満足のいかないことは多いです。実際、満足のいく成功の方が少ないくらいです。

それでも、上に立つ人間は部下の「達成感」を上手くコントロールする必要があります。

「○○まではやることができた」「このパターンを知れた」などなど、出来た分だけでの達成感を味わえるようにサポートするのも仕事のうちです。

ここでやってはいけないのが、「金銭報酬」です。「達成感」の反対派「金銭報酬」だと考えてください。

「金銭報酬」をやってしまうと、それ以外でモチベーションが非常に上がりづらくなります。その上、「お金をくれた人」を尊敬することはありません。

もし、「金銭報酬」がなくなったしまうと、仕事をこなして金銭をもらえない場合は憎悪や軽蔑になりますし、モチベーションを取り戻すのが困難になります。

瞬間的に効果はあるかもしれませんが、渡す側も受け取る側も後々は疲弊していきます。

何よりの報酬は「達成感」「感動」「刺激」などなどです。部下に「また、頑張りたいです。」「次も成功させましょう!」って言ってもらえるように意識しましょう。

「脳科学 心理学 から学ぶ記事 理想の人、憧れの人に近づく方法」