ポジティブな追い打ち

皆さんが落ち込んでいる時に、周りから「元気出しなよ」「もっとポジティブに行こう!」「いいことあるよ」と励まれたことはありますか?

学校生活や社会生活でも何度も体験したり、見たりすることだと思います。

「落ち込んでいる人」がいたら「明るい言葉で励ます」

これは誰もが持ち合わせている共通認識ですよね、元気を出してもらおうと明るい言葉をかけます。

実際、明るく力のこもった言葉で焚きつけられて、元気を取り戻したり、何らかに復帰したりする人は沢山いるでしょう。

しかし、それが当たり前で毎回そうあるべきだと思いますか?「元気のない人は必ずポジティブにさせる方がよい」と考えていませんか?

いえ、そんなことはありません。それが適切でない場合は多く存在します。

身体にスタミナが存在するのと同じように、精神にもスタミナが存在します。もし、スタミナを限界まで消耗している時に走ろうとしたらどうなりますか?どこかが故障している時に動き続けたらどうなりますか?

スタミナ限界を超えれば意識が飛んだり臓器に異常をきたします。故障している部分を酷使し続けると症状は悪化します。

それは精神(心)も同じです。心も体と同じように壊れます。

実際、私はポジティブな言葉で励まされるのは好まないタイプです。無理にポジティブになるのはしんどさを感じませんか?好きで落ち込んでいるわけでもないのに、なんで無理をしてまで+の精神を出していかないといけないのか、と疑問をよく持ちます(笑)

勿論、多くの人がそういった状況の人への対応方法を理解しています。そっとしておいたあげたり、気を使ってくれたりする人がいるでしょう。

しかし、いざ落ち込んでいる人と話をする時に、どういった言葉が効果的な助けになるか、どんな言葉が安心するか、という事を意識して話したことはありますでしょうか。

「そっとしておく」や「ポジティブな言葉をかける」など以外の対応方法を知っていますでしょうか。親しい人でも仕事の関係であっても「励ます」という場面はあると思います。

親しい人ならどうやって元気づけるか察しがいくかもしれませんが、毎回いい方法があるとは限りません。

なので「心理的に落ち込んでいる人のストレスを和らげる方法」を知っておいて方がよいのです。

勿論ポジティブな言葉により「自己肯定感」を上げて、能力や精神状態を良くすることもできるので、一概にポジティブな励ましが悪い、ということはありません。

しかし、ポジティブな感情は人からではなく、自分から考えを変えることで大きく効果を発揮します。「自己肯定感」については下記の記事で纏めていますので、この記事の内容を踏まえて情報を共有したり、手助けになれるように併せて読んでみてほしいです。

自己肯定感は脳を成長させ、嫉妬は脳を非活性にさせる。おめでたい人間は強い | DISA LOG

落ち込み期間は必要な期間であることを知る

「ネガティブになっちゃだめだ…」落ち込んでいる時はこの考えが頭によぎりますよね、しかし、「無理にポジティブにならなくていい」ということをまずは知っていて欲しいです。

「ネガティブがダメなら逆にポジティブに」って思ってしまうかもしれませんが、無理に感情を反転させる必要はありません。

今の状態を把握してニュートラルな感情を意識してみましょう。

落ち込んでいるタイミングは、精神を鼓舞させるタイミングではなく、腰を落ち着かせて考えるタイミングです。

自分のプラスの感情を見てみたり、マイナスの感情を認識したりと、いろいろ感情を紐解いているうちに、心の底から元気になったり、積極的な状態に切り替わることもあります。

「落ち込んでいる状態」が悪い状態、という解釈をまず捨てましょう。

その人のとっては自分を見つめなおしたり、考えたり、休んだり、心のエネルギーを蓄えている時間になるのです。心を休めるチャンスだと考えましょう。

ポジティブに取りつかれない

上記でも触れていますが、人は「ポジティブ」に意識を囚われがちです。

誰でも前向きに生きたいので当然なことなのです。本からでも人からでもあらゆる情報媒体からでも「ポジティブに」という姿勢なので、そう思ってしまうのは仕方のない事です。

あらゆる人がポジティブを押してきます。しかし、落ち込んでいる最中に他人から

「ポジティブにいこうよ、ポジティブに」

なんて言われたら気分悪くなりませんか?この言葉は本来、人に押し付けられる言葉じゃないのです。これは自分に言い聞かせる言葉です。

人が元気になろうと心の調節をしている横で「ポジティブに行こう」「前向きにいこう」と何も考えずに言ってくるのは、本人の意思に関係なく軽薄に見えます。

落ち込んでいる人を安心させる言葉

ネガティブになっている人をプラスの方向に回復させるには、褒めたり、肯定するのが効果的です。

落ち込んでいる人に対して、「頑張れ!」ではなく、「休んでいいよ」って言って上げれるようにしましょう。

「ネガティブになってもいいよ」って言われたらすごく安心しませんか?

今の自分が許されている、肯定されている、という感覚に近くなります。元気付ける言葉は、遠回しに「このままじゃだめだ!」って言われているような感覚になります。

このままじゃいけないってことは自分がわかってるし、今は頑張るのではなく「回復したい」という精神状態なのに、追い詰められる状態に陥ります。

「たまには落ち込んでいい、ゆっくり自分を見直そう」って言われたら、少なくとも焦りは消えます。それだけでも充分に励みの言葉になります。

「励ます」という目的を勘違いしてはいけないのです。元気付けるより、元気になってもらえる、ように相手のことを考えましょう。

あとこれは私個人の考えなのですが、いい意味で「頑張れ」という言葉を使う時は、頑張る意思を持っている人を鼓舞する時、応援する時に使う言葉です。

頑張れなくなってる人に対して言う「頑張れ」は、「もっとやれよ」という意味合いに近くなってしまいます。普段から使いそうな言葉ですが、受け取る相手のことを考えて使う言葉にしたいですね。

人を元気づけるのは前向きな言葉だけではない、人を追い詰めない優しく安心させる接し方