無意識思考

「無意識思考」って知っていますか?日々の生活は常に選択の連続です。その中で最も良い選択を可能にすると研究され話題になったのが無意識思考です。

最初にお伝えしておきますが、「無意識」と聞いて「あてずっぽう」「運」などのイメージが出ると思いますがそうではありません。

研究が重ねられた、物事を正確に判断する為の「思考法」である、という事を知っていて欲しいです。

そもそも私たちは生活の中で「無意識」の中で思考し行動しています。無意識といのは考えなし、と言うわけではなく、思考に対して意識していない、「思考に気が付いてない」という事を指します。

ちゃんと思考が通って行動したり選択したりしてるけど、その思考に自分の意識が通っていない状態なのです。これが無意識思考の強みに繋がっていたりします。

一般的に「思考する」ということは「意識下に置き、考える」という認識になります。ですが、無意識下でも思考はされており、意識していない思考があるという事です。

そうなると「意識していないと思考にならないのでは?」と疑問が湧くと思います。当然の疑問なのですが、人間は案外、生活していると無意識の思考の方が多かったりします。

例えば歩行する際や物を拾おうと手を動かす時に筋肉を意識して動かしたりしないですよね、人と会話する時も言葉は意識的に選んでも、接続詞は『が』だな、とか『の』だな、とか意識しないで会話をします。

数を数える時も「これは『本』だな、これは『個』だな」なんて考えず無意識で言えます。運転をするなら「次は右に曲がろう」と思っても「ならハンドルを右に切らねば…」とはならないですよね。そう考えると無意識下で行っている行動は多いと思いませんか。

毎日のルーティンであったり、仕事であっても人は「無意識」を活用して生活しているのです。

これは脳が無駄なエネルギーを消費しないようにしているからできるようになっています。最初はエネルギーを消費して行動を重ねないといけませんが、後々は無意識下でエネルギー消費することのなく行えるようになります。

故に、無意識は無駄のない思考となります。これが物事判断するのに無意識思考が有効にである理由の一部であったりします。

記事の流れ
無意識思考の紹介と判断力が上がる理由や有用性を説明した後、最後の項目で実際に行われた実験を基に信憑性とやり方の説明をします。「無意識思考をどうすればできるのか」という疑問に関しては、簡単なやり方を最後に記載していますので気になる方は先に最終項目をご確認ください。最後だけ見てもピンとこない場合は上から順に読んでいただけると幸いです。

何をやっても続かない人の為の続ける事が苦にならない方法、好きなことをするモチベーションを生かす | DISA LOG

感情に左右されない正確な選択ができる

人間の情報処理の仕方で、「ボトムアップ処理」と言うものがあります。

ボトムアップ処理は、聞いたり、読んだり、見たりして得た情報について、それぞれ構成する要素をバラバラに分析して認識する方法です。

情報をそれぞれれ分析してちゃんと処理を行う為、少し時間がかかってしまいますが無駄な思考に影響されることなく、正確に物事を判別することができます。

また、それとは別に「トップダウン処理」という情報処理方法があります。

例えばですが、「Aさんは性格が悪い」と聞いていたとします。その場合は一般的な場合だとAさんを観察するうえで、「性格が悪い人」というバイアスがかかった情報を基にAさんをどんな人か判定します。

こういった、前情報を基に理解する方法がトップダウン処理と言います。「性格が悪い人」と最初に言われてしまっていたら、自分で判断する前に悪い印象を持ってしまいますよね。ですが、意識的に考えると誰でもこうなってしまうものです。

一度こうなってしまうと、その人の本当の性格や言動や振る舞いは正確な情報として入りづらくなってしまいます。

なので正しい情報を得て、自分で判断できるように「トップダウン処理」ではなく、「ボトムアップ処理」で思考したいですよね。

そこで用いられるのが無意識思考です。無意識思考をだと通常なら「トップダウン処理」になってしまう思考を「ボトムアップ処理」で思考できるようになります。

「意識思考」は、どうしても事前知識であったり、感情に左右されやすいです。バイアスのかかった情報処理をしてしまうので、自分の期待や結論をありきで思考してしまいます。

最悪、「こうなるであろう」という思い込みに気が付かないまま思考を進めてしまう事になります。

一方、「無意識思考」を用いた場合は、情報処理に少し時間はかかってしまいますが、素の膨大な情報をまとめて、統合して情報処理がなされます。

そうすると、感情が影響していたり、無駄なイメージにも影響されていない、偏りのない正確な結論を出すことができるようになります。

正確な情報を基に偏りのない結論をだしだければ、無意識思考を用いてボトムアップ処理が行えるようにしましょう。

ポイント
・「ボトムアップ処理」は不要な意識に左右されず、正確な情報を基に判断が行える
・「トップダウン処理」は知識や前提を基にバイアスがかかった判断になる
・「無意識思考」はボトムアップ処理を行う

無意識思考で正しい判断をする方法

私たちの生活の中には嘘が溢れています。誰だって嘘をついたり自分が不利になる部分を隠したりして生きています。

そんな中「嘘を見抜く力」というのは誰にでも必要です。嘘でなくても、大事なことを隠している、などの怪しい言動が身の回りに溢れています。そういったものも含めて、上記で散々説明してきた無意識思考が嘘を見抜くのに役に立ちます。

因みにですが、騙される人の全員が「私は大丈夫」と思っている人です(笑)「騙されたことが無い」「自分は優秀」とかは一切関係ありません。「自分も騙されるかもしれない」と思える人でないといつか騙されてしまうでしょう。

無意識思考を用いた実験

無意識思考を用いて嘘を見抜けるか実験が行われました。

・実験内容
スーツを着用した大学生が、自分が参加したインターンシップに関して語る動画を被験者達に8パターン見せました。それぞれの動画で、「インターンシップの内容」と「インターンシップの好きな点、嫌いな点」について語っています。実はその中に「本当に参加して感想を述べている人」と「参加したかのように語っている人」がいます。嘘をついていない動画も、嘘をついている動画も同じ時間になるように調整されており、さらに、8種類の動画のうち真実の動画と嘘の動画がどれくらいの割合で混ざっているか被験者は知らないです。

嘘を見破るべく、被験者は3つの思考条件で分けれています。

①直観条件
動画の視聴前に嘘を語っている人がいる事を教え、視聴後にすぐに嘘をついているか判断してもらう
②意識的思考条件
動画の視聴後に嘘を語っている人がいる事を教え、3分間じっくり考える時間を与えたあとに嘘をついているか判断してもらう
③無意識思考条件
動画の視聴後に嘘をついている人がいる事を教え、一度別の関係ない課題に3分間取り組ませます。②とは違い実験のことなど考えさせずに実験3分後に嘘をついているか判断してもらう

虚偽判断の正確性を調べた結果、③の無意識思考条件が他の2条件と比較して飛びぬけた正確さを示したそうです。

この答から言えることは、嘘を見抜くには直観で判断するでもなく、じっくり思考するのでもなく、一度考えるのをやめて無意識で思考しておき、改めて判断を下すと良いという事がわかります。

何をするにも勝手に無意識下で思考は始めっています。この記事を読んでいる時も、記事の事しか考えていないように感じても頭の中では別のことの処理が並行して働いているのです。そしてその思考は純度の高い思考です。

難しい言い方をしていますが、要は何かを判断するには難しく考え過ぎたり、感覚や直感に頼るでもなく、一度頭に隅に置いておくだけでよりよい判断ができる、ってだけ覚えていてくれたらいいです。

「無意識思考を行いたければ、その事柄に対して一度考えるのをやめて無意識下に置き(無意識下に置いているだけで勝手に思考が進む)、改めて判断を下すと良い」

正確な判断力を手に入れる方法、無意識思考を駆使すれば感情にも惑わされない正確な判断ができる