適切な睡眠時間

「睡眠」に関する研究が進むにつれていろいろなことがわかるようになってきましたね。

しかし、いろいろな説が言われるようになったせいで「何が当たっているのだろう?」って疑問を持つようになったのではないでしょうか。

「日本の平均睡眠時間は7時間ほどだし、皆がそのくらいなら私もそんなもんでしょう」と思ったり、「睡眠は量ではなく質、何時~何時まで寝れば大丈夫!」であったり、「私はショートスリーパーだから三時間あれば快適」と言う人もいれば、「睡眠は不要、訓練すれば一日15分で充分」なんて言う人もいるくらいです。

様々な睡眠本であったり、睡眠用品であったり、頭のいい偉い人の研究結果だあったりと、いろいろ人が自分の考えを唱え、様々な結論がありふれています。

もう正直言って、「どの理論が正しい」というのを決めるのは困難です。どの説にも、当てはまる人、当てはまらない人、一部当てはまる人、など人によって正しい睡眠の答えが違うからです。

では、どうやって快適な睡眠であったり、自分に必要な睡眠を取る方法を探すのかと言うと、それは自分が快適な取れているか確認する方法を知ること、で自分に一番適している睡眠の形を探すことができます。

皆さんがいろいろな睡眠方法を探して答えを見つけきれない原因は、自分に一番適した睡眠が取れているかいないかが把握できていないからなのです。

恐らく、今持っている快適に生活できる睡眠時間の取り方は、「寝れるだけ寝る」という感じになっていると思います。

それはそうです。寝たいだけ寝れるならそれはスッキリ起きれますし、睡眠の問題は解決することでしょう。

でも、毎日そうはいきませんよね?忙しくて全然寝れてなくて睡眠負債が貯まっている時もあるし、なぜか早く起きてします時期もあるし、いつもスッキリ起きれる時間寝ているのに眠い時もあったりします。

それは、必要な睡眠時間があらゆる理由で頻繁に変わり続けるからです。疲労度、年齢、生活習慣、ホルモンバランス、環境、季節ですら数時間単位で必要な睡眠時間は変わります。

そうなってくると、「毎日〇時間睡眠で問題ないから」と言って必要な睡眠時間が増えていても同じような睡眠を続けていたら体調を崩してしまいますよね?

なので、常に変わり続ける自分の適切な睡眠時間を常に知る術、を持つ必要があるのです。

ポイント
・適切な睡眠方法は人によって違う
・適切な睡眠方法がわからないのは自分の適切な睡眠時間がわからないから
・自分に必要な睡眠時間は様々な理由で変わり続ける
・常に変わり続ける自分の適切な睡眠時間を常に知る術が必要

必要な睡眠時間が変わる原因

上記でも軽く触れましたが、人は様々な理由で必要な睡眠時間が変化します。

簡単に分けますが、若い頃は大体「7~8時間」程の睡眠時間になりますが、年を取ると「6時間」程の睡眠量になります。

他に睡眠時間が変わる要素として大きいのが、「季節」による影響です。まぁ季節ほど環境に影響する要素はないですかね、睡眠時間が変化しない方が不自然です。

しかも春、夏、秋、冬、とあるので、年を通して睡眠時間は変わり続けると思ってもよいほどなのではないでしょうか。こう考えると、自分の睡眠時間を決めつけてしまうとのは適切ではない事がよくわかります。 

これは日の日照時間と関係があり、夏至の時期は昼が長いので、睡眠時間は短くなる傾向にあります。なので冬至の時期は睡眠時間が多くなります。

夏至の時期は冬至の時期に比べて「2時間」短くなるそうです。

これだけ大きな変化があると、季節によって睡眠時間を変えないのは良くないことがわかります。この考え無しに夏の生活習慣で同じように冬を過ごすと睡眠不足に陥る確率はかなり高いです。

冬の時期はうつ病になる人も多いです。それは日照時間が減ることにより、日を浴びる時間が減る為「セロトニン」の分泌が減った影響からが主な原因だとは思われますが、生活習慣の改善がなく夏と同じ睡眠時間を過ごしてしまい、睡眠不足からうつに繋がってる可能性も私は高いと思います。

でも私にもわかります。自分が7時間睡眠で問題なく生活できていたのに、ある日9時間くらい寝ると「9時間も寝てしまった…」と、時間を勿体なく思ってしまいますよね(笑)

だからと言って無理やり起きると、やはり2時間後くらいには眠たくなってしまうんですよ。そのまま我慢しても仕事などの効率は落ちてしまいますし、だからといって途中で満足いくまで寝てしまうと生活習慣が狂ってしまいます。

やはり、目まぐるしく変わる適切な睡眠時間の変化に敏感に順応するには、いつでも自分が適切な睡眠時間を取れているか確認できるようにする必要があるのです。

必要な睡眠時間が取れているか確認する方法

睡眠時間が足りているか確認する方法は、起床から4時間後に頭が冴えているかを確認する事によって判断することができます。

午前5時に起きている人なら、午9時の状態を確認、午前7時に起きている人なら、午前11時に状態を確認、という風に起床から4時間後の状態を確認しましょう。

起床から4時間後というのは、1日で最も頭が良い時間帯です。

処理能力から理解力、集中力、記憶力と、なんでもベストの状態で能力が発揮できます。充分な睡眠が取れているなら頭が一番スッキリしている状態です。

睡眠による脳の機能回復が行えても、起床したばかりは頭がまだ働いでいないですからね、エンジンがあったまっていない状態です。

4時間後が、脳が一番疲労を蓄積していない状態で活動的になってくる時間帯です。

もし、この時間帯に「眠い」「あくびが出る」「頭が回らない」などの兆候があれば、それは睡眠不足の状態と判断できるでしょう。

この時間であれど、睡眠不足というだけでスペックは大幅に落ちます。どれだけ気合を入れても、脳の機能事態が低下してしまっているので、何をやっても効率は落ちてしまいます。

これは、ただ睡眠時間が足りないからおこるというわけではありません。

たとえ長時間の睡眠が取れていたとしても、起床から4時間後で上記のように頭がスッキリしないのであれば、睡眠の質が悪かったり、まだ睡眠が足りていなかったりと、睡眠に何らかの問題があると言えるでしょう。

逆に、4時間とか3時間の短い睡眠時間でも、起床から4時間後に頭がスッキリしている状態なのであれば、あなたにとって必要な睡眠が確保できていると認識してよいでしょう。

うまく睡眠の質と睡眠時間をコントロールできている証拠です。

これならとても簡単ですし、毎日確認することができます。毎日確認できるのであれば、臨機応変に早く自分の睡眠の問題に向き合えるでしょう。

自分の目覚め具合から意識して把握できるので、「今日の睡眠は少し足りないな」「今は〇時間ならスッキリ起きれるな!」と判断しやすいです。

これだけでも多くの問題を解決できると思います。逆に、自分の適切な睡眠時間を把握しない限りは、どうあっても問題を解決することは困難になるはずです。

日頃から起床から4時間後のコンディションを意識して生活してみましょう。

ポイント
・睡眠時間が足りているか確認する方法は起床から4時間後の状態を確認する
・起床から4時間後というのは、1日で最も頭が良い時間帯
・起床から4時間後に眠気を感じたりするなら睡眠不足の可能性が高い
・日頃から起床4時間後の状態を確認して睡眠時間を調整したり改善する事が大事

数十分の睡眠量でコンディションは大きく変えられる

十数分ほどの睡眠量の違いでもコンディションは大きく異なります。

お昼に「15分ほど」仮眠を取った時などにも感じると思いますが、コンディションはかなり良くなりますよね?少しの睡眠量なのにとても頭がスッキリして作業効率も大きく変わります。

最近では会社で仮眠を取れる制度なども追加されていますね。「15~20分ほど」の睡眠時間をとれるようになっており、睡眠用の休憩室が設けられている会社も増えています。

会社の制度として取りいれるほどに数十分の睡眠時間が重要になってくるということです。作業効率だけでなく体力の回復にも繋がりますし、少しでも睡眠による恩恵は大きいです。

外の仮眠による短時間の睡眠がここまで重量になってくるとなると、家で環境が整った中、安心して熟睡できる睡眠は短時間であってもとてつもなく重要になってくるとうことです。

なので上記でも記載した、身体の状態を考慮した睡眠時間調整は短時間であっても大きく影響します。そういった細かい調整を正確にするためにも、自分の睡眠時間をしっかり把握することが必要なのです。

睡眠時間を把握して自分の問題を明白にする

睡眠時間を把握する為に3日間の睡眠記録を取ります。凄い簡単にできるので手間にもなりません。

睡眠状況を可視化して自分の状態や問題を明白にすることができます。毎日の出来事や精神状態などの影響を受け続ける睡眠を調整し続けるには必須になります。

最近は記録用のアプリも充実していて記録するモチベが維持しやすいものが多いです。なので私はアプリで記録します。ですが実際はノートなどに書いて記載するのが「脳科学」的にもいろいろと良いらしいです。

毎日なにかを「書く」ことに抵抗が無い人は、自分のノートを準備して手書きしましょう。最近はノートもモチベーショが上がるデザインいいものが多く、自分のお気に入りのノートを準備するのもお勧めです。

「三日の記録ですむのにのノートやアプリが必要になるの?」

ってなった方もいると思いますが「よりよい睡眠方法や自分の睡眠記録を付けるためのノート」を準備するのはとても有用です。自分なりに睡眠に関しての注意点やよく寝れる方法、自分の睡眠にどういった特徴があるかなど纏めてみましょう。

睡眠記録の取り方

睡眠を記録するうえで必要になってくる要素が、「入眠時間」「起床時間」「睡眠時間」「起きた時の状態」「当日のパフォーマンス」になります。

「入眠時間」「起床時間」から「睡眠時間」を出しましょう。眠ろうと布団に入った時間ではなく「この時間には寝入っている」という時間から計算しましょう。

3日間の睡眠記録を取るうえで必要な項目が下記になります。

ポイント
・入眠時間
・起床時間
・睡眠時間(上記より算出)
・起きた時の状態
・当日のパフォーマンス

日付と項目に分けてわかりやすく記録していきましょう。目覚めた時の感覚は簡単に書いて問題ありません。「良い」「悪い」「普通」「少し体が重い」程度の記載しましょう。

もっと簡単に書いてもいいです。自分の手間にならない続けれるよう意識して記載することが大事です。

「当日のパフォーマンス」に関しては、その日のあったことや状態を一言程度で書きましょう。「一日中眼が冴えていた」「食後に眠たくなった」「調子よく動けてよく眠れそう」など振り返って感覚で記載しましょう。

詳細なデータがとりたい場合は下記を参考にしてみてください

・当日にどれくらいの眠気があったか
頭が回らない、瞼が重い、あくびが多い

・身体のコンディションはどうだったか
だるさがあるか、疲労感を感じるか、身体の不調がないか(肩こり・腰痛)

データを把握する

上記に記載されているデータは例としてのものなので、見てもあまりピンとこないかもしれませんが、自分の事をデータとして記載すれば、それを見た時思う事やわかることがあると思います。

三日ほどではもちろん断定的なことはわからないですが、データは嘘をつきません。自分自身の事をデータ(事実)として見ることができます。その日だけのことであったとしても、「〇時間寝ている日は体が軽かった」「〇時間しか寝れていない日は体が重かった」と自分の状態を可視化することができます。

データに残すことによって「自分がどんな状態であったか」という事を意識できるようになり、自分のことをより細かく把握することができるようになります。

三日程度の情報でも「〇時間くらい寝れれば快適」という、大まかな「当たり」がつけやすくなります。

三日だけでなく、数日続けることによってより、自分の睡眠傾向を知ることができます。続けれる範囲でどんどん自分のデータを集めていきましょう。

「起きた時の状態」からベストな睡眠時間を把握する

記録を取り続けていると自分のベストな睡眠時間がよくわかるようになります。

初日の睡眠時間が「6.5時間」で、起きた時は眠くても問題なく一日を過ごせています。次の日は「30分」早く起きたことにより、目覚めが悪いだけでなく、一日のパフォーマンスにも影響が出ています。

このことから最低「6.5時間」は睡眠が必要とわかります。そして三日目の「8時間」の睡眠をとった時は身体が「だるい」という結果になっています。これは「6.5時間」以上の睡眠がとれても「8時間」程の睡眠をとってしまうと逆に身体がだるくなってしまう、という事がわかります。

なのでだいたい自分のベストな睡眠時間は「6.5時間~7.5時間」という結果が出せます。

この時間が把握できていることにより、疲れている時の睡眠時間を調整することができます。「今日は多めに寝てしまうから30分早く寝れるようにしよう」と意識もしやすいですね。

三日のデータでもこれだけわかるので一週間、一か月とデータが取れればさらに細かいデータが出せます。

自分の日中の活動に影響がでないギリギリの睡眠時間を出せるようにしましょう。

睡眠とパフォーマンス

自分の睡眠を記録することによって「睡眠とパフォーマンス」についての意識はだいぶ変わってくるはずです。

「自分のパフォーマンスを如何に発揮するか」と考えた時に「睡眠」との関係性を見ることは必須となります。睡眠への意識が高まってくることにより、日々の生活に大きな影響を与えることを理解できて、より良い方へ変えていけるようになると思います。

ここまで読んでくれた方は、よければ一か月は自分の睡眠に関して記録をしてみてほしいです。一か月も続ければ自分の「睡眠の限界ライン」を知る事と、自分が「最高のパフォーマンスを発揮できる睡眠時間」を手に入れきれる可能性があります。

「今日は〇時間寝れたから私はいま最高の状態!」と思えるようになるだけでも大きく影響がでるはずです。「自分のベストな状態」を知れることは人生の大事な場面で大いに役立ちます。

逆に「睡眠の限界」を知ることができれば、時間が無い時に「最低これだけ寝れば問題ない!」と把握したうえで動けるようになりますし、「睡眠不足かも…」と自分のマイナスになるような思考にも陥りずらくなります。「これだけ寝てるし今日は乗り切れる!」の考えを持てる余裕がでます。

睡眠とは一生付き合っていくものですし、睡眠を理解することは人生をコントロールする事にも繋がります。なので早いタイミングで一度深く考えることをお勧めします。

睡眠の記録が重要な理由がさらにありまして、自分の適切な睡眠時間は毎年変わっても不思議ではありません。年齢でも大きく睡眠時間は変化しますね。なので日頃から自分の睡眠について記録する習慣をつけるのがいいです。

上記でも記載していますが様々な理由で適切な睡眠時間は変わることを理解しておきましょう。

一番簡単に睡眠時間が足りているか確認する方法、適切な睡眠時間は季節でも変わる