落ち着きのない子を自由にさせるべき理由、多動を正しく抑える方法を解説

落ち着きのない子

元気に動き回る子供に苦労している親は沢山います。かくいう私も間違いなく「落ち着きがない子」でした。

親の気も知らずに動き回り、いろいろなモノを勝手に触り、スーパーなんて行けばあちこちに隠れたりと、迷惑をかけてしまっていたものです。

「子供なんてそのんなもん」「子供なんだから仕方ない」ってなりますが、実際問題そんな簡単なものではないですよね。

予想できない行動に、いつか何かをしでかしてしまわないか、と言う恐怖もありますし、迷惑を心配して動きがとりづらかったりと、悩みが深刻な方も少なくはありません。

何より心配なのは子供のこと、ですよね。「なんでこんなに落ち着きがないのだろう…」「このまま育つとどんな子になるだろう」「もしかしてADHD…?」なんてことも思うかもしれません。

ですが、そういった心配をする前に知っておいた方がいいこともあります。脳の仕組み的に問題が無い場合もありますし、抑制することで成長の妨げになる可能性もあります。

だからといって好きかって自由にさせ続けれるわけでもないので、今回は子供が多動になってしまう原因や、そういった行動に効果のあるトレーニング方法を紹介していきます。

体感覚を学んでいる

多動な行動をとる原因の一つとして、脳の神経伝達物質によるものが原因なんじゃないかとも言われています。

私達は「感覚」を持っていますよね。日常生活を効率よく過ごすためにはあらゆる感覚が必要になってきます。

モノ一つ手に取る為にもあらゆる把握能力を使用します。壁にぶつからず歩けるのも、モノにつまずかないのも、椅子に座れるのも、モノを食べるにも様々な「感覚」が必要になってきます。

ではなぜ私達はそういった「感覚」を養っていると思いますか?それは一番様々な情報を取り込むことができる子供の頃に、いろいろなところを動き回り、いろいろなモノを触り、いろいろなことをしたことにより、様々な感覚を養うことができたのです。

「身体を思い通りに動かす」という能力は子供の頃に習得する技術なのです。

そして同時に、「身体をどうやって動かさないでいるか」という技術に関しても同じ時期に同じように学んでいます。

筋肉のスイッチを「ON」にするか「OFF」にするか、身体をリラックス状態にして回復に努めるか、運動モードに切り替えるか、といった体的作業に関しても子供の頃に身体を動かしながら学んでいくのです。

この感覚の「ON・OFF」ができない大人がどうなってしまうかはなんとなくわかりますよね。大人しく座っていられない大人がする行動は、あまり好感の持てるものではないでしょう。

何より、子供が動き回って大変に感じることも多いかもしれませんが、「動くことでいろいろと学んでいるんだな」って思えば苦労は軽くなると思いませんか?決して迷惑をかけるためだったり、無意味な行動だったりするわけではないのです。

最近の子供は「どうやって動くか」を知らない

上記で説明している通り、多動と言われるような行動をとっている子供の中には、幼児期に学びきれなかった「身体を動かすこと」をただ学んでいるだけの場合があるのです。

生き物の成長スピードは個体によって様々です。少し大きくなっただけなら、まだ学び残している可能性は充分にあるといっていいでしょう。

少し遅れて「どうやって動かすか」「どうやって動かないでいるか」を学んでいるだけかもしれません。

「よく転ぶ人」「よく怪我をする人」っていますよね。でもそういった人って、運動などはあまりしないそこまで動かない人の場合が多くないですか?

よく身体を動かして、様々な感覚を養ってきた子供は、やはり体を動かすのが得意で好きなことが多いです。逆にそういった子はいろいろなことをしている割には怪我が少なかったりします。

特に最近の子は外で自由に動き回れる空間も少ないですし、携帯端末の普及でその場から動かずに、いろいろな感覚を養う機会は少なくなっています。

病院などでは、多動を抑える為に薬を処方することも多いそうです。私としては結構びっくりでしたね。確かに大人しいとありがたいし「落ち着きのない子」の心配を一時的になくせるかもしれませんが、

もしかするとそれが、多動を悪化させる原因にもなってしまっている可能性まで考えきれているのかが心配になります。

勿論まだまだ分からないことが多い内容です。もしかするとそういった薬が良い成長にも繋がるのかもしれません。

ですが、そういったリスクを自分でも考えておくとは必要です。どこまでいっても薬にはなんらかのリスクが付きまとうことに変わりはないのですから。

「視る力」で多動は減る

多動などの「動き回る」などの能力は「空間認識能力」などが養われます。周りの物を認識したり、自分との距離感を知る為の感覚ですね。

こういった感覚は「視る力」に依存します。ただ視界に入れるだけではなく、視界に入れたモノから情報を多く読み取とることにより、予測する力が強まったり、計算したり把握する能力が養われます。

こういった能力はかなり「学力」「運動能力」に影響してきてきます。「把握能力」が変わるので当然です。逆にいってしまえば「視る力」を鍛えれば、かなり子供の能力向上に役立つことでしょう。

こういった視る力を向上させるトレーニングを「ビジョントレーニング」といいます。

最近の子供は液晶画面を見続ける時間が長いので、三次元の空間把握能力が低下気味です。そういった子は距離感を掴むのが下手になるので、転んだりどこかに身体ぶつけがちになる可能性があります。

把握能力が向上した子供は、多動が減ることがあります。普通に生活しているだけでも眼からの情報が多くなるので、好奇心で動き回ったり触ったりするより、観察による情報集が多くなります。

・じっとしているのが苦手
・よく転ぶ、ぶつかる
・物覚えが悪く行動が鈍い
・黒板の文字を書き写すのが遅い
・読むのが苦手てで文章を飛ばして読んでしまう

上記のような行動に心をあたりはありませんか?その場合は視る力が弱い可能性があります。文字を読むのが苦手で「文章を読み飛ばしてしまう」というのはかなりよくありません。

「読み書き」は能力向上の基本になります。ですが、視る力が弱いと文章を目で追うのが億劫になってしまうんですよね。そうやって読み飛ばしていると、数年たった時にしっかり文字が読める子供とかなり能力に差がついてしまうでしょう。

ビジョントレーニングに関しては下記の記事で簡単なものを紹介しています。良ければ併せて読んでみてください。他にも「ビジョントレーニング」調べればいろいろな方法がでてきますよ。

いい子にしていることを褒める

叱るのが有効ではないことは、なんとなく感じていると思います。そうはいっても「叱らないでどうすればいいの?」となるはずです。

子供は行動をコントロールできないので、叱られても何度も同じことを繰り返してしまいます。最悪、反抗的になって言うことをさらに聞かなくなることもあるでしょう。

よく「子供の気持ちを理解する」とか「悪いことだとゆっくり説明する」という答えがあると思いますが、それが正しいこととわかってはいても、それでだけで対処するのは正直言って難しいですよね。

子供の気持ちを理解しても辞めさせないといけないし、説明しても理解してくれないことが殆どです。

これはもう根気よく付き合っていくしかないでしょう。ですが、大人しくしてもらえるテクニックはあります。

それは、いい子にしてくれたことを最大に褒めることです。

子供の行動を制限するのではなく、子供が自主的にいい子にしたくなるようにすることが理想です。子供にとって親から褒められことは最大のご褒美です。

しかも、親から褒められて嬉しくなる期間はとても長いです。中学生になっても親が褒めてくれるなら、と言うことを聞いてくれるこは多いです。

これも難しいことはわかっています。ですが、「抑えるより褒める方が効果的かもしれない」ということを軽くでもいいので意識してみて欲しいです。

「子育てが大変」は皆一緒だと思って踏ん張るといいです。休みながらでも迷いながらでもいいので頑張っていきましょう。

落ち着きがない子を自由にさせるべき理由、多動を正しく抑える方法を解説

シィダ

「脳」をテーマに情報を5年以上発信しており、人生が豊かになるような脳科学の記事を書いています。最近では「人工知能(AI)」に興味を持ち、「ChatGPT」や「Stable Diffusion」を触っています。AI画像生成が趣味で、「X(旧Twitter)」に挙げて遊んでいるの良ければ覗いてみてください。

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