噛まない人が増えている

あなたは自分が食事中にどれだけ噛んで食べているか、ということを気にしていますか?

正直言って、現代の私達の環境では、自らの意志で「よく噛む」と意識しない限りちゃんと噛んで食事をすることができない状況にあります。

なぜかというと、今のスーパーやコンビニへ行っても、固い食べ物ってそんに売ってないですよね?

これは良い事でもあるのですが、食品のサービスの向上につれて、あらゆるものが食べやすくされているからです。

口に含みやすく、噛みやすいものばかりが売れます。チョコであっても板チョコより一口で口に入るものを選んで食べることが多いですよね?

ビスケットや煎餅のような固いものでも、シナってしているものが売れてたりします。なんとなく食べやすいものを選んでしまう気持ちは私もよくわかります(笑)

今となっては肉でも「柔らかけれな柔らかいほどよい」「固いと子供が食べない」という意見も多いでしょう。大人でも固いお肉を食べる人はどんどん減ってきています。

弥生時代では現代人の6倍は噛んでいたそうですよ。それに比べると今の人は全く噛んでいないですよね。現代人は一食に620回、弥生時代は3990回だったそうです。

なんとなくわかっている人は多いと思うのですが、「噛む」という行為は脳に多大な影響を与えます。

集中力を高めたい時にはガムを食べるスポーツ選手が多くいますよね。噛むことで脳が強く刺激されるからです。

しかし、最近は噛みやすいガムですら全然売れていないそうです。

ガムで有名な商品が、どんどん売上が落ちてしまった影響で、ガムからグミに変えてしまったほどです。

グミもある程度噛むほうですが、ガムに比べるとそんなに噛まないですし、確かに食べる気にはなりやすそうです。

ですが、こういった「噛まない商品」がこれ以上増え続けると、私達はますます噛まなくなっていくでしょう。

今回は、そんな変わり続ける環境でもしっかり噛むことの大切さを忘れずに、自ら噛むことを意識できるよう、「脳」と「噛む」ことの関係性を解説していきます。

噛むと脳が活性化する

東京の大学で行わた噛むことの実験にて、噛むことにより脳が大きく変化することが分かっています。

・実験内容
18歳~40歳までの12人にガムを噛んだ後の脳の血流がどのように変化するかをPET(陽電子放出断層画像診断装置)で調べた
結果
咀嚼中は大脳の感覚運動領野で25%~28%、味覚中枢で9%~17%、小脳などで8%~11%も血流量が増加した。

これは咀嚼中のみの結果で、咀嚼をやめると数値も元に戻ったそうです。

噛んでいるだけなのにかなり脳が活性化していることが分かりますね。別の実験でも、噛むことで大脳の脳神経細胞の活動が活発になることがわかっています。

ネズミを使った実験でも、固いものを食べさせているネズミは実験の成績が上がるそうです。

様々な実験からわかるように、「固いものを噛む」「噛む回数を増やす」 というのは、脳を活性化させるのにとても重要です。

上記でも説明しましたが、今の私達の環境だと固いものを食べたり、よく噛んだりすることが困難です。

ですが、それは自分が意識すれば簡単に改善できる範囲のこと、でもあります。普段の食事から意識的に沢山噛んで食べることを意識しましょう。

難し考える必要はありません。普段の食事をゆっくり噛んで食べる、と意識するだけでも大きくかわるでしょう。

ささっと飲み込んだりしないで、出来るだけ多く噛むだけです。まずはゆっくり噛んでたべることを癖にすると良いでしょう。

早食いは頭が悪くなる

噛むことを調べた実験は沢山されているので、その中で脳を活性化させること以外にもわかっていることは多いです。

老化モデルマウスを使った研究では、老年期に噛む力が低下したことによって、「記憶力」がかなり悪くなったそうです。

記憶に関係する海馬の神経細胞も減少してしまいます。海馬の機能低下は脳のスペック低下の大きな要因になると言えるでしょう。

これは人間でも変わりません。

よく噛まない、噛む力が弱い、たったこれだけでも能力の低下は避けられない、ということになります。

食事とは毎日、しかも一日に三回も行う行為です。これが積み重なればその差は大きくなる事でしょう。

ましてや脳が一番成長する子供の時に、「柔らかい物ばかり食べている」「全然噛まないですぐ飲み込む」では、脳が全く刺激されないでしょう。

よく噛んでいるか、噛んでいないか、程度で能力に差が出てしまうのはとても勿体ないですよね。しかし、確実に影響はでるでしょう。

噛んで脳が活性化した状態で受ける授業と、活性化していない状態で受ける授業では、経験値に大きく差が開きます。

これは大人でも例外ではありません。「忙しくてゆっくり食事がとれない」「ストレスでドガ食いしてしまうから全然噛まない」では、脳は本来の力を発揮できていないでしょう。

そんな状態で仕事を頑張っても効率は落ちますし、健康にも凄まじく悪いです。

そんな人は食事を始める前に一度大きく深呼吸をしましょう。

気持ちが落ち着いて、食欲の抑制にもなりますし、落ち着いて食事を楽しむことができます。

食事は早ければ早いほど悪い!

って意識するくらいがいいかもしれませんね。

因みにですが、よく噛まないで歯が弱くなり、歯の数が減ることによっても脳の機能は低下します。

歯が弱くなる=脳機能の低下くらい関係が密接だということを意識しましょう。

ポイント
・噛む力が弱いと記憶力が悪くなる
・記憶力の低下は能力や成長速度にマイナスになる
・早食いをすると脳が刺激されない
・食事の前に一呼吸置くと良い
・歯の数が減るだけでも脳の機能は低下する

早食いは太る

「早食いは太る」これはもう常識になりつつありますね。ですが、「そこまで変わらないだろう」軽んじてる人もやはり多いです。

よく噛むと「満腹中枢」を刺激して、必要以上に沢山食べなくてもしっかりとした満腹感を得る事ができます。

逆によく噛まないで食べると、満腹中枢が刺激されずに食べ物を身体に流し込み続けます。そうなれば食欲に歯止めが気がなくなっていくでしょう。

「そうは言っても我慢できない」「ゆっくり噛んでられない、すぐ飲み込んじゃう」「食欲に抗えずに次のものを口に入れたくなる」という人は非常に多いです。

気持ちはとてもわかります。何も考えないで欲望のままに食べ物を口に運ぶ感覚は何とも言えません。

しかし、だからこそ日頃から少しづつ治していく必要があるのです。

「ゆっくり噛んで食べれるようになんて、いつでもなれる」と思っているからこそ、いつまでたっても早食いをやめられないのです。

毎日少しでもいいので、「ゆっくり噛んで食べる」を意識していきましょう。

それが続けば「通常のスピード」になっていきます。これは続けないダメです。

早食いする人は本当に痩せません。痩せてる人って食べるのが凄くゆっくりですよね。

あれは痩せてるから沢山入らないのではなく、ゆっくり食べてるから痩せているのです。

これ逆に考えている人が多すぎます。「痩せよう」と思っているのなら、まずはゆっくりよく噛んで食べることから始めましょう。

よく噛まない子供はバカになる?早食いする人は絶対に痩せない明確な理由