空間認識力

「空間認識能力」は空間の中で形や位置、高さや間合い、方向や配置などを把握する能力です。

「空間認知能力」だったり「空間把握能力」などと言ったりもします。空間把握と聞いて連想する人が多いと思うのですが、スポーツなどで強く効果を発揮する能力、ってイメージだと思います。

野球であればボールを投げる際も打つ際にも欠かせない能力ですね。この能力によって大きく変わります。

空間認識能力が高いピッチャー目線だと、「投げる時のイメージ」を作る際の情報量が感覚的にも意識的にも桁外れに違います。

投げる為には、どれくらいの力で投げればいいか、どの方向に力を加えたらいいか、どの方向に向けて腕を振ればいいか、などの言い始めたらキリがないほどの情報量が必要です。そして、その情報量が多ければ多いほど、ボールを投げる精度は変わってくることでしょう。

全員が「どのくらいの距離」って頭でわかっているようなことでも、能力によって把握できる情報量が違い、対処できる具合に差が出てくるのです。

サッカーやバスケでも大いに役立ちますね。敵味方の場所や、ボールの位置、人やボールの予測地点を察知できればとても強力でしょう。

比喩表現になりますが、「コートを上から見ている状態」なんて言い方を聞いたことがあると思います。これを詳しく言うと「全員が見える位置から見えているのと同じ情報量を持っている」という事になります。

勝負事において、「把握」と言うのはとてつもない強力な武器です。普通に考えて敵味方の位置が常に把握できるいるだけでもとても優秀なプレイヤーですもんね。

サッカー漫画ブルーロックで主人公の「潔 世一(いさぎ よいち)」が武器としている能力としても話題になっています。

孤立した敵を察知したり、走ってくる味方を把握したりするだけじゃなく、全体を見据えれる認識能力を生かしてボール行く末を予想したりしています。

この能力は攻撃でも防御でもとても強力です。これは漫画アニメだけに言える事ではなく、現実でもこのように働きます。よくいる「周りが見えて無いやつ」はどれだけ運動能力が高くても成果をあげるのが困難になります。

スポーツで活躍できる人は運動能力だけじゃなくやはり、「視野が広い」人が多いです。それは敵味方やゴールとの距離感などの情報量が他に人より多いからと言えるでしょう。

空間認識力はスポーツ以外でも必要不可欠

目標に向かってボールを投げる、対象物や相手との距離感を図りながらそれに合わせて自分も動く、などスポーツで出る能力ではあるのですが、他の面でもとても重要な能力になります。

例えば、自転車に乗りながらバランスを保つ際にもこの能力が発揮されます。他にも何かの設計図を作ったり、絵を描く際であったり、物を組みたてたり作ったりする際や、場面を脳内でイメージする際や、会話をする際の自分の立ち位置なども空間認識能力が発揮されます。

設計図を作成するとなるとこの能力は必要不可欠ですね。家を建てるとなれば部屋から物まで常に「空間認識」をしていないと何もできません。

絵に関しても、空間把握が乏しいとリアルな絵は描けません。空間認識がなければ背景や前にあるもの後ろにあるもの、姿勢や向きなどを把握できる絵を完成させることは難しいでしょう。

脳内で場面をイメージするのは距離感などに直結します。この能力が乏しいと地図を読むのが困難になったり、迷子になりやすくなることでしょう。

この迷子になりやすかったり地図が読めなかったりするのが、人としての能力で結構重要だったりします。

距離感や道を把握できない人は時間の把握もできないので、遅刻したり、段取りが悪かったり、把握能力が低かったりします。

距離感がわからない→移動時間が計算できない→遅刻が多い人

地図が読めない→道筋を把握できない→段取りが悪い、時間の計算ができない

↑このようにイメージしていただければ

物事の段取りが悪かったり、集合時間によく遅れて来たり、数字に弱ったかり、仕事の要領が悪かったり、仕事が遅かったりする人は、空間認識能力が低い人が多かったりします。

空間認知能は、脳の様々な箇所で中枢として存在しています。通常、運動であれば運動中枢というひとつの部位が担っているのですが、空間認知能に関してはその限りではなく、中心となる空間認知中枢以外に言語中枢・視覚中枢・前頭前野・海馬回など、脳の数か所に存在しています。

なので、空間認知能を鍛えれば脳の機能を全体的に高める事ができるのです。

普段の姿勢で空間認識力は鍛えられる

トップアスリートに共通する特徴って皆さん知っていますか?それは必ずと言っていいほどに姿勢が良いことです。

まず、高い集中力を保つためには姿勢が良くないといけないです。関係無いようなことに感じるかもしれませんが姿勢は大きく影響します。

集中力が途切れる大きな要因は「疲労」です。そして疲労は姿勢に大きく影響されます。人間が休もうと思った時に最初にする行動っていえば姿勢を変えること、ですよね。

正しい姿勢は脳に疲労を感じ為させない為、集中を切らす要因を無くします。こう考えると集中を維持する為に姿勢は直接的に関係していることがわかりやすいです。

姿勢が悪いと体軸が傾き、目線も傾くので、左右の目から得られる情報にズレが生じます。まず、姿勢が悪いというだけでも情報量に差が出てしますのです。

情報のズレは脳の処理に悪影響を及ぼします。見えていても脳が理解しずらくなったり、考えたりすることが困難になるのです。

少し大げさな話になりますが、黒板が斜めに置かれていたら理解しづらいですよね?テスト中に机が斜めになっていたら集中できないですよね?左右からの情報のズレは脳に大きく影響するのです。

勿論これは運動能力にも影響します。トップアスリートは立ち姿から座り姿勢まで綺麗です。

プロ野球選手の大谷翔平選手は姿勢がとてもいい事だけでなく、両目の左右差が無く、とても高い視認力を持っており、アスリートの中でも最高レベルだそうです。

正しい姿勢からブレない視認は高いパフォーマンスを発揮するのにとても重要になるのです。

正しい姿勢の作り方

・背筋を伸ばす

・目線を水平にする

・左右の肩甲骨の高さを地面と平行にする

上記の三つを意識して正しい姿勢ができるようにしましょう。簡単だし馴れてくると効果を実感できるようになると思います。健康面で見てもとても良い効果を発揮するので是非とも姿勢は正しましょう。

目を瞑ってジャンプする

まず、自分がジャンプする位置に目印を置き、その上で目を瞑ってジャンプしましょう。目印からズレが無いようにジャンプすることによって空間認識能力を鍛えることができます。

繰り返し行いブレがなくせるように鍛えましょう。

意識一つで周りより空間認識能力を伸ばせる

サッカーをする、キャッチボールをする、将棋や囲碁、絵を描くことでも空間認識能力は鍛えることが出来ます。

遊びや趣味で自分の能力を上げれるとなればとても素敵なことですよね、でもこれは周りもしている事だし差はでないのではないか、と思うはずです。

そこで、周りと差をつけて空間認識能力を上げたいのであれば、何をするにも空間把握を常に意識して趣味に没頭しましょう。

コートに立っているの居るのなら定期的に全体を見るよう視野を広くする

絵を描くなら常に立体的な意識を持つ

上記のように常に「視野を広くもつ意識」を持つようにしましょう。この意識一つで大きな差が出てくるはずです。

ビデオゲームで空間認識力を上げる

「子供にゲームは悪影響」「ゲームは頭が悪くなる」なんて言われていた時代も終わりかけてきましたね(笑)

ゲームは脳によい刺激を上げえてくれます。ゲームの場合だと「空間可視化能力」という想像上の二次元や三次元の物体を動かしたり回転させたりする能力が強くなります。

ベルギーの研究者が十代の若者の脳を調べた結果、ビデオゲームを好んで遊んでいる若者の脳は、感情や行動を司る「差腹側線条体」の細胞が多くなっていることを発見しています。

ゲームってはっきり言って脳みそめちゃくちゃ使いますからね、脳が発達しないわけがないのです。

他の研究でも、アクションゲームをする人はゲームをしない人と比べて知覚が鋭く注意力が高いうえに、高度な認知スキルを持つことがわかっています。

ゲームをする際には自分が使っている感覚にも意識を向けると、より身体能力や脳全体の向上に繋げれるかもしれませんね。

「空間認識力」上げる方法、空間認識力を鍛えると集中力や処理能力が上がる