1番能力を発揮できる状態を解説・ニュートラルな状態に自分の意志でなれるようにする

ニュートラル状態

結論から言ってしましますが、人間が能力を発揮するうえで一番理想の状態が「ニュートラル状態」です。

能力を発揮できる状態といえば「興奮してアドレナリンが出まくっている状態」「心も体もリラックスしきって脱力している状態」というどちらかのイメージが強いと思います。

ですが両方とも理想の状態とは言えません。興奮すれば一時的な大きな力を生む可能性はありますが、それはいつでも自在に出せるような力ではありませんし効果時間も安定しません。

効果が切れて集中が一気に下がってしまう危険性もあるのでとてもリスキーです。私たちが能力を発揮したい状況といえば競技の場であったり、何かを完遂する状況であったりと、安定して能力を出し続けられる状態が望ましいものになります。

「結果」や「成績」を出したくて能力を発揮したいのであれば、リスクのある能力の出し方は最終的な結果に結びつきにくいです。自分の純粋な力が安定して出せることこそが重要といえるでしょう。

それこそが「ニュートラル状態」なのです。「ゾーン」とも言えますね。ゾーンが一流のレベルにしか発揮されないのは「自分が積み上げてきた能力」を全て発揮できている状態だからなのです。決してゾーンは「自分が持ち合わせている以上の能力が出せる」というものではありません。なので積み上げてきた能力が無い人ではゾーンに入ることができないのです。

ニュートラルな状態とは?

心身ともに理想の状態になっているのが「ニュートラル」の状態になります。精神が高ぶりすぎてなく、リラックスしきっていない中立な状態を指します。

わかりやすく言うと「緊張」し過ぎず「リラックス」し過ぎない状態です。

脳の力を引き出すにはある程度の緊張感もリラックスも必要になります。緩んでいる時に高速で展開を読んだり反応したりすることは困難ですよね?だからと言って興奮しきっていると頭が真っ白になって冷静な判断はできません。


緊張しすぎ

・動きが固くなる
・柔軟な発想ができなくなる
・冷静な判断ができなくなり単調になる
・パニック状態に陥り思考が止まる


理想の精神状態

・動きが軽い
・柔軟な思考が可能
・反応速度が速い
・脳の処理速度が速い
・快適な精神状態


リラックスしすぎ

・反応が遅い
・脳の処理速度が鈍い
・体が重い
・気の緩み 油断を生む
・意欲が下がり何もしたくなくなる


興奮状態が最悪でリラックスしている状態が理想という印象が強いですが、リラックスしすぎても能力はかなり低下します。どちらも程よくある状態を目指すことが大切です。

多くの場面で興奮状態よりはリラックスしている方がまだ適していると思うので、興奮気味の方はリラックスすることを主において方がいいかもしれません。

イメージは下記の図になります。

自分を理想の状態からかけ離れてるなと感じた時はこの「ニュートラル状態」を意識するようにしましょう。適度な状態があることを意識できるだけでもコンディションを整えやすくなります。

「今、集中できているな」って状態になっていたら、その状態を強く記憶しておくといいです。良い状態を感じれたら、今の自分の状態を細かく観察していましょう。

自分の理想の状態には入れたら
・頭の中はどんな感覚か
・身体は状態はどうなっているか(軽い、重い、動きやすいなど)
・何がきっかけでこの状態には入れたか
・呼吸の頻度はどれくらいか
・視界の広さ

全体的な「感覚」を理解し、記憶できればいいですね。

ニュートラルに戻す

なんらかの原因で大きなストレスと受けた時は、興奮してしまいニュートラルな状態には程遠くなります。ですが感情というものはとてもコントロールするのが困難です。

興奮状態に陥ってしまえば、周りは見えず冷静な判断力を失い、大きな損失を招きかねません。

それを防ぐためには迅速に自分を「ニュートラルな状態に戻す技術」が必要になってきます。これはとても難しいことですが、できれば自分に大きな力になりますし、他の人からの評価にも繋がります。

「自分をコントロールできる人」になるための第一歩になるのでお勧めです。

ブレスホールド

ニュートラルな状態に戻す技術をどう会得するのかというと、マイナスの感情を疑似的に起こし、それを把握し、体感することです。そこから精神を戻していき、マイナスから0に戻す、という行為を繰り返すことによってマイナスの感情から元に戻すことに馴れることができます。

ではその「疑似的にマイナスの感情」を出す方法はどうするのかというと、「ブレスホールド」という方法を用います。どういった方法なのかというと自ら息を止めます。息を止めることによって「苦しさ」「身体の緊張」「心拍数の増加」「血圧の上昇」「不安感」などのあるゆる理由で精神的な焦りを煽ります。

苦しくなるにつれて「恐怖心」を自覚するようにします。身体の危険から根底からなるリアルな恐怖を意識して感じれるはずです。

この方法を用いればマイナス感情を自由に出すことができ、ニュートラル状態へと持っていくトレーニングをすることができるのです。

以下ブレスホールドエクササイズのやり方です。

※息を止める手順が含まれていますが絶対に無理をしない範囲で行いましょう。眩暈や頭痛などの不調が出た場合はすぐに中止してください。

ブレスホールドのやり方
1 鼻から息をゆっくり大きく吸い込む
2 口から軽く息を吐いてそのまま息を止めます
3 8秒程キープします
4 息を止めたまま全身に意識を巡らせ、身体に起こる変化を感じます。
5 呼吸を再開して好きなように楽な呼吸をしましょう(深呼吸推奨です)息を止めた時に感じたマイナスの感情を全て解消するように体と精神の回復を意識しましょう。
※息を止める時間は20秒程でも伸ばしても大丈夫です。無理のない範囲で行いましょう。

身体、精神を回復させていくことを強く意識して行いましょう。負荷からの回復は様々な面で自分を強くブレない安定した能力の発揮に役立ちます。強い回復力を目指しましょう。

ブレスホールドの有用性

「驚く」「恐怖する」「追い詰められる」などの不安定な精神状態になってる時に共通するのが呼吸の乱れです。最悪の場合だと恐怖やストレスは過呼吸の原因にもなり呼吸困難になります。

呼吸がままならない状態になると脳、心、身体のすべての機能を止めてしまいます。こういった状態の予防にもなるのがブレスホールドエクササイズです。

恐怖や強いストレスから元の状態に回復させることができるようになり、素早く平常心を得ることができます。焦ってしまうのを改善したい、大事な場面でパニックになってしまう、という方はそうならない状況にしようと対策しがちですがそんな都合通りにいかないことが殆どです。だから恐怖心を知り、その状態になっても対応できるようになる、というのが重要なのです。

ブレスホールを習得し、熟練している人は一呼吸で通常の呼吸に戻すことが可能だそうです。強い精神ストレスであろうと呼吸一つでいつもの自分を取り戻せるようになれば人生で大いに役に立つでしょう。

大切なのはイメージです。強いイメージ力は強い集中力を生み、強い集中は没入感に繋がります。イメージトレーニングはアスリートの成長に絶大な効果を発揮します。自分の身になるよう本気で取り組むことが大切になります。

呼吸を止める事による健康面での効果

上記を読んで思うのがやはり「息を止める」という行為は身体に悪い影響を及ぼすのではないか?というところです。 

身体を使って身体と精神にストレスをかけているような体験をしているのですからそう疑問に思うのは最もです。しかし健康面からみても「息を止める」という行為は身体に良い影響をもたらします。

息を止めて「酸欠状態」になった体は、より多くの酸素を取り入れようとします。その状態で呼吸を始めることによって細胞が一気に酸素を取り入れようとするので、血流も促進し、新陳代謝もまた活発になると言わられているらしいです。

身体に負荷をかけてしまうという点はありますが、何事にも成長には負荷が必要です。鍛える為の負荷をかけているのだと考えれば自然なことだと思います。重要なのはやりすぎないことです。

もっと詳しく呼吸について知りたい方へ

「呼吸」「リラックス」これらから影響する身体や精神の事について詳しく知りたい方にお勧め本です。スポーツや特殊な場面だけでなく、生きていくうえで役に立つ呼吸法や身体の休め方を知ることができます。正しく効率が良い効果のある身体や精神の良い休め方、ダメージを受けた精神や身体の効果のある回復方法なども知ることができます。ストレスやダメージは身体を蝕んで能力を大幅に下げます。うまく休める方法を知るだけでも人生はとても豊かになると思います。最近リラックスできていないなぁ…という方は是非読んでみてください。

アスリートの自宅トレーニングに↓

シィダ

「脳」をテーマに情報を5年以上発信しており、人生が豊かになるような脳科学の記事を書いています。最近では「人工知能(AI)」に興味を持ち、「ChatGPT」や「Stable Diffusion」を触っています。AI画像生成が趣味で、「X(旧Twitter)」に挙げて遊んでいるの良ければ覗いてみてください。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする