耳は治せない

皆さん自分の「耳」の健康について気を使っていますか?目の健康に関してはある程度は気にしている人が多いですが、耳に関してはそこまで気を遣わない人が多いです。

しかし、耳も気を使わないで生活をしていると確実に悪くなります。確かに目と違って明らかに視力が落ちたりするように「全然聞こえなくなる」という状態には簡単になりませんが、自分が気が付かないうちに少しづつ状態が悪くなっていきます。

少しづつ聞こえなくなっていくので危機感を感じにくいのです。イヤホンを四六時中付けて生活している人は、人が言っていることを聞き直す回数が多くなってないか意識してみてください。確実に増えていると思います。

あと、少しだけ変な言い方になってしまいますが、視力に関しては最近の回復技術の進歩により効果の期待できる治療法があります。お金を払えば解決できるパターンの人の多いでしょう。

しかし、耳はそうはいきません。もちろん完全に無いとは言い切れないですが、視力と違い聴力に関しては回復できないモノ、と考えた方がいいです。

耳は一点もの

そう考えた方がいいです。使い物にならなくなってからで遅いです。「音が聞こえない」という状態は、今まで普通に生活してきた大人がなってしまうとまともに生活できない状態になるといっていいでしょう。

聞こえなくなったなら補聴器を使えばいいのでは?

上記のように考える人もいると思いますが、補聴器は本当に不便です。補聴器を使う生活をし始めたら、「耳を大事にすればよかった…」と感じる人が殆どでしょう。

「耳は一点もので、ダメになってからでは遅い」ということを少しでもいいので頭に入れておきましょう。

耳と脳の関係

苦しむ少年

耳と脳の関係はとても密接です。耳に悪いことは脳にも悪影響となります。

耳に悪影響になるモノといえば、「騒音」ですよね。騒音は耳に悪いだけではなく脳にもよくありません。

因みに、聴力を失う大きな要因となるのも騒音です。加齢による影響も大きいですが、騒音により聴力を低下させる人も多いです。

騒音にさらされる機会が多ければ多いほど難聴の危険性が高まっていきます。自分の生活で騒音にさらされている時間が長くないか気をつけるようにしましょう。

割と「我慢するしか…」なんて言ってられないくらい失っているものは大きいです。耳へのダメージは我慢でどうにかなるものではないことを理解しておきましょう。

認知機能の低下

ジョンズ・ホプキンス大学の研究で、難聴者は認知機能が低下する確率が「30~40%」高くなることが分かっています。

聴力が低下してしまった人は、正常な聴力を持っている人に比べて脳の質量を大幅に失ってしまっているのです。

「30~40%」はあまりに大きい数字です。認知機能の低下は、把握力、判断力、思考力の低下と同意です。30~40%ともなれば殆どの人が低下すると考えていいでしょう。

趣味から仕事まで影響しかねないです。このことを知らずに大きなハンデを背負って生活している人もいるかもしれませんね。

聴力が落ちるとストレスが増大する

聴力が低下してしまうと、相手の言っていることを聞き取るだけで大きなエネルギーを使います。

意識しないで聞いていたのでは聞き入れることが難しいので、発言をちゃんと聞き取ろうと意識を集中させることになるでしょう。

聞き取ることに意識を割いているので、聞いたことを思考する為に意識を使えないです。それにより発言内容のクオリティは下がってしまいます。陳腐な発言はしたくないですよね。

「それは大袈裟じゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、かなり耳が悪い人からしたら経験したことがあるのではないでしょうか。聞き取るのに必死で会話どころじゃないのです。

そうやって「脳への要求が大きくなる」ことにより、無駄な負荷が掛かることによってストレスが増大します。

会話程度でストレスが溜まるのなら、少しづつでもなかなか影響がでることになるでしょう。

上記にように考えなくても、「聞こえない」「聞こえづらい」じゃ、普通に考えてかなりイライラしますよね(笑)相手に何回も聞き返したりなんかしたら、「もういいよ!」なんて言われてしまいます。

この記事を読んでいる方なら、聞き返し過ぎて相手を怒らしてしまった経験があるのではないでしょうか。

ポイント
・耳に悪影響のものは脳にも悪影響
・騒音にさらされると難聴の危険がかなり高まる
・騒音は我慢するべきことではない
・難聴者は認知機能が低下する確率が「30~40%」高くなる
・聞こえづらいと脳への負荷が大きくなる
・聞こえづらいとストレスが増大する

耳にダメージを負う音量

耳は1週間に15分以上、「105デシベル」を超える騒音にさらされるとダメージを負うとことになります。

105デシベルにならなくても、「80デシベル」以上であれば、長時間聞けば耳に悪影響となります。「少しうるさい環境に長時間」みたいな状況も耳には有害になります。

「デシベルで言われてもピンとこない…」という方もいると思うので、下記に基準を纏めました。参考にしてみてください。

・飛行機 「120デシベル」
・車のクラクション 「110デシベル」
・ライブハウス・カラオケ 「100デシベル」
・ピアノの音 「80デシベル」
・日常会話 「60デシベル」

工場や倉庫などの80~90デシベルの音が出ている環境で、防音保護具を装着せずに働いていれば、聴力が低下していってしまっている場合もあります。

多くの人に身近な大きい音と言えば、「ヘッドホン」「イヤホン」ですよね。気分が乗るとついつい音量を上げてしまいます。

その音量に慣れてしまうと、さらにどんどん音量を大きくしてしまいます。これに関しては私も気持ちはかなりわかりますが、その影響で耳が悪くなる若者はどんどん増えていますね。

「ヘッドホン難聴」「イヤホン難聴」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。若い世代でお年寄りみたいな聴力になっていまっているのもこれが原因です。

「長時間聞く」というのもかなり耳に悪いです。「うるさくなければいいんでしょ?」と思っている方が多いですが、長時間イヤホンで音楽を聴くもかなり聴力を落とす原因になります。

聴力を落とさない為に

脳の刺激

音を意識して楽しむ

まずはやはり音楽を聴く際には音量を落とすようにしましょう。最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、意識的にボリュームを落としていけば大きすぎない音でも満足します。

上げ続けた音量を今度は逆に下げていけるようにしましょう。音量がでかいと脳にガツンとした刺激を味わうことができますが、大きすぎると一つ一つの音を深く意識して聞きづらいです。

小さい音量で各パートを聞き分けたり、楽器の音のみに集中してみたりと、工夫して音楽を楽しめるよう音に意識を集中させてましょう。

耳も休ませる必要がある

上記でも軽く触れましたが、長時間耳を酷使しないように注意できる人が少ないです。

耳も休ますせることが必要です。時は何も音を入れないでリラックスしましょう。

夕食を食べながらテレビを見たりすると思いますが、その際は字幕設定にして音量を下げることをお勧めします。

外で耳を酷使してリラックスしようとしている時に、テレビからでかい音が出ていたら耳も脳も疲れてしまいます。軽くでもいいので「耳も休ませる」ということを意識できるようにしましょう。

耳の保護を徹底する

騒がしい環境にいる人は耳栓や防音保護具を徹底しましょう。「うるさいだけなら…」なんてめんどくさがってはいけません。

上記でもいっていますが、耳は一点ものです。我慢すればどうにかなる、なんてことは絶対にないので耳の保護は怠らないようにしましょう。

最近はデザインも良く高性能な耳栓も多く出ています。安くて使い勝手もいいので、騒音に困っている方は是非試してみてください。

難聴はストレス値が増加し、認知機能を低下させてしまう。耳が悪い方の為の対処法